2008年01月10日

木の上に立って見守っている人


野口嘉則 幸せ成功力を高めて自己実現!~気づきと感動の心理学 より
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私は両親の反対を押し切って、今の夫と結婚し、東京で生活を始め
ました。

最終的に両親は結婚を認めてくれましたが、私のほうは両親のこと
をゆるせず、結婚後は一度も実家(鹿児島)に帰っていませんでした。

4年前に子どもが生まれたときは、両親が鹿児島から会いに来て
くれましたが、その後は、「忙しいから来てもらっても困る」と伝え、
4年間は会っていませんでした。

こっちからは、1年に1回、年賀状を出すだけになっていました。


ある日、友人が私に『鏡の法則』をプレゼントしてくれました。

涙が止まりませんでした。

心の底で頑張って意地を張っていたのですが、その糸が切れたか
のように涙があふれて止まりませんでした。

泣き終わって、すぐに 「ゆるすための8つのステップ」をやりました。

今までゆるせなかったのが、まるでうそのように、心から親に感謝
でき、すぐに実家に電話をかけました。

電話には父が出ました。

私は最初、言葉が出てこなくて、ただただ泣くばかりでしたが、
落ち着いてきて感謝の言葉を伝え始めると、こんどは父が嗚咽し
はじめました。

その後、母とも話し、両親と心から和解できました。

人生でこんな日がやってくるとは夢にも思っていませんでした。

(中略)


翌々日に、両親から手紙が届きました。

その手紙とともに、新聞や雑誌の切抜きが何枚も同封されていまし
た。

それはすべて、アトピー性皮膚炎に関連する記事でした。

今年の年賀状に、子どもがアトピーだということを書いたのですが、
それ以来、新聞や雑誌でアトピーの関連の記事を見つけるたびに、
切り抜いて保管していてくれたのです。

そして、手紙にこんなことを書いてくれていました。

「子どもの病気は、親にとって一番辛いことだと思います。早く
よくなるといいですね」

私はずっと反発してきたのに、こんなにも愛してくれていたな
んて、こんなにも心配してくれていたなんて。

自分がどんなに愛されていたのかを思い知りました。

(後略)
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この方のように、「親から愛されていたことに気づいた」という
体験談が、とてもたくさん届いております。


親という字は、「木の上に立ってまで見まもる」という字ですね。

どこまでも子どものことを心配し、子どもが遠くに行ってしまって
も、木の上に立ってまで見守ろうとする。


見まもられている子どもは、その親の愛の深さになかなか気づけ
ないのかもしれません。

「親の心 子知らず」 という言葉もありますね。



もちろん、いろいろな親がいると思います。

「私は親に愛された記憶がない」とか
「私は親に虐待された」とか

「親のことは絶対にゆるせない」 という方もおられると思います。


そんなケースでは、「親をゆるさなければならない」と考えるより
も、まず自分自身をゆるしてあげてほしいと思います。

親をゆるせない自分をゆるすのです。


そして、親に対するゆるせない思いを、思い切り吐き出すことを
おすすめします。

もちろん、直接親にぶつけることはおすすめしません。
感情をぶつけるつもりで、紙に書き殴るのです。


その過程で、親のことを否定したくなったら、遠慮なく否定して
ください。

親をいったん否定することで、親から心理的に自立できることも
あるからです。


そのプロセスを充分に経ると、親をゆるし、親に感謝することが
できるようになります。



さて、よく考えてみると、

少なくとも、私たちが今こうして生きていられるのは、親の存在
なくしてはありえないことです。


私たちが、笑ったり泣いたりできるのは、
親がいてくれて、私たちが生まれてくることができたからです。

この人生そのものが、親のおかげで存在するわけです。



恩という字を分解すると、「恩」とは「原因を知る心」です。



森信三氏が師と仰いだ人に西晋一郎氏がいますが、
その西晋一郎氏は、次のようにおっしゃっています。

「親より受けた恩の有無厚薄を問わない。親即恩である」


親からどんなことをしてもらったかなど、問わなくてよいという
ことですね。

自分が今こうして生きている以上、それは親の存在のおかげ
であり、だから、親即恩なのです。



私は本を読むのが好きなので、仕事でホテルに泊まるときなど、
本を何冊か持っていきます。

そして、持っていった本をすべて読みきってしまった時などは、
ホテルの部屋に備えてある聖書や仏典なども読んだりします。


それで、何年か前のことなのですが、ホテルで読んだ仏典に印象
的な言葉があったので転記しました。

次の言葉です。

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父母の大恩は、どのように努めても報いきれない。

例えば百年の間、日夜に香水で、父母の体を洗いさすり、あらゆる
孝養を尽くしても、

または父母を王者の位に昇らせるほどに努め励んで、父母をして
栄華を得させても、

なおこの大恩に報いきることはできない。

父母を喜び敬うものの家は、仏や神の宿る家である。

(「和英対照仏教聖典」より)



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Posted by やんち at 21:26│Comments(2)サプリメント
この記事へのコメント
胸がいっぱいになって涙がでました。
「親」という字の話、母がいつもしてくれていました。
子を持って初めて気づくことたくさんですが、
まだまだですね、私は。
今夜は父母のことを想いながら床につきます★
Posted by マリリン at 2008年01月11日 20:08
☆ マリリンさん

 もっと早くに、子育て真っ最中に、こんなことが学べたらなぁと思います。

 いま子育てのかたを応援したいです。
Posted by やんちやんち at 2008年01月11日 21:24
 
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